ばなな通信

小説家・青葉奈々のお仕事情報とのんべんだらりとした日々を掲載するブログです。
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# 観劇日記「デスティニー」By 30−DELUX
私の友人は妙に観劇好きな人が多くて、色々情報を聞いたりしつつ、たまに私も見に行ったりするのだけど、今回のこの劇団「30−DELUX」の公演「デスティニー」に関しては、大好きな風間俊介くんを見に行くのが最大の目的でした。

「風間さん出てる劇見に行くんだー!」
「へー、なんてやつ?」
「『デスティニー』ってやつでね……」
「え! それ、30−DELUXのやつでしょ? 私、30−DELUX好きで、それも見に行くんだ!」
「へー!」

……なんて会話を、比較的頻繁にする気がする。
ジャニーズと言ったらアイドル活動がクローズアップされるし、実際そういう事務所なんだけども、意外とこういう舞台を中心に活躍している子もいるのです。
そして、風間さんはここのところ定期的にこうして舞台に参加しているので、生の演技を見に行けてうっはうはするわけで。

そんなわけで、友人イチオシだったこともあってかなり楽しみに行ってきたんですが、結論から言えば「化粧していかなければよかった」。
泣いた−! まあ、舞台見に行くとたいてい泣くんですが私は。涙腺弱いんで!
が、それはさておき、泣いた!

国を滅ぼそうと企てる盗賊団、未曾有の危機に陥る小国の姫君、そして、数奇な運命に巻き込まれていく主人公「ジン」と、複雑な事情を抱えて自らの存在を見失いかけている「アラン」……
アクションシーン盛りだくさんの物語で、アクション大好きな私としては大興奮。
そして、ストーリーの端々に挟まれるギャグに笑い、シリアスなシーンでは泣かされ……と思いきや笑わされることもあり(笑)
複雑な人間関係の中、徐々に何かが狂っていく様が、胸にズシンと響く物語でした。



シリアスな部分で泣くのはわかるとして……
おもしろかったのは、ギャグの部分。
というか、前説からそれは始まっていた(笑)

テレビなんか特に多いのだけど、内輪ネタをギャグにして盛り上がられるっていうことが、結構あると思うのです。
バラエティーとかでもよく見るけど。
別に、それはそれで面白い人は面白いし、わからなければわからないでいいんだけど、そればっかをやられると、不快。っていうか、正直ネタがないからそんなのやってるんでしょ? と冷める。

んだけども、この劇団、内輪ネタをガンガン使うけれど、長い長い前説で、割としっかりとその内輪ネタの解説というか、内輪ネタを利用して前説をしているという(笑)
前説の途中から席についたのだけど、一体何をネタにしているのか、よくわかって、最近のお笑いよりもずっと面白かった(笑)

そして、その前説があってから本編に入るので、これがまた面白い!
初めて見に行ったけども、それでおいてけぼりにされることがなかった!
それですごく嬉しかったし、物語にも入り込めた。

そして、ラスト。
物販の宣伝で、ものすごく「買ってくれ」アピール。
この辺は、ジャンプで連載中の「銀魂」が好きで、「銀魂」の監修のオッさんこと高松監督のツイッターをフォローしてる私としては、割と身近な感じ(笑)
台本があったので、台本だけでも買おうかな−、なんて思っていたのだけど……


この物販宣伝の小芝居に、風間さん登場(笑)


ノリノリで物販のための小芝居に参加する風間さんにつられて、パンフレットとエコバッグも買ってしまったという残念な感じになりました。後悔はしていない。



東京公演、明日までやってるみたいだけども……明日はさすがに千秋楽だし、もうチケットないかな?
行けたら行きたかったけど、仕事がたまっているのでムリ……
ギリギリしつつ、DVD出たら買おうかな……なんて、物販販売促進の小芝居にすっかり乗せられているのは、調教されきっているからに違いない。

後悔はしていない。

| - | - | 23:50 | category: レビュー的なもの |
# 「前橋ビジュアル系」
結局見に行ってから一週間以上経ってしまった。「前橋ヴィジュアル系」の感想。

最初にコレを知ったきっかけは、私が好きな風間俊介君が出ると聞いたから。
しかも主演。映画初主演。これは見なければ、と。

「3年B組金八先生」に登場していたのだけど、風間くん、あのときにあのシリーズの主演だった上、その次のシリーズにも幸作がらみでいっぱい登場して、私の中ではあの時以来ヒーローなのだけれど、意外とわかってもらえないという哀しみを秘めつつ。
でも本当に、彼の演技はすごいと思っている。特に、犯人役。ドラマの「交渉人」のスペシャルで、犯人役をやっていたのだけど、あのときのキレっぷりは本当にすごかった。ほんとうに、なんかおかしい人みたいな感じで。

おそらく、彼のキャラがそうだからなのだろうけど、比較的クセのあるキャラクターを演じることが多い風間くん。
で、「前橋ビジュアル系」はどうかというと、逆に珍しい王道青春ストーリーの主役。
ただ、設定がよかった。

群馬県前橋市に住む青年4人。上はまもなく三十から、下は二十数歳。ちょうど「まだ夢を見ていられる」ギリギリの世代と言ってもいい年代の彼らは、前橋市のライブハウスでビジュアル系バンドを組んで、インディーズで活動している。
初期にはある程度多くの人を動員できていたけれど、徐々に飽きられたのかライブの動員数も激減。くすぶっている間に同じインディーズのビジュアル系バンドがメジャーデビューをすることになって、それぞれが将来に悩むという話。

とても王道。次から次へと襲ってくる試練に、挫折、諦めようとしたところに舞い込むチャンス……
安定感のあるストーリーだけど、「ああ、そうだよね……」と頷かずにいられないような部分がものすごくリアルに浮き上がってきて、物語だとわかっているのになんだかすごくハラハラドキドキ。
結局彼らは前橋を出て行くのか?
それが話のメインで、正直、どっちになってもおかしくないなと思えるような展開もあり、笑いあり涙あり。

主人公が農家の息子、という設定に、笑わされ、泣かされ。
そして、「なぜ彼が歌い出したのか?」というところで大泣き……
作者の狙い通りに感情を揺さぶられたんだろうな、と思いつつ、気持ちのいいストーリーでした。




ただ、この映画、「前橋」ヴィジュアル系なのに、撮影場所が千葉らしいんですよね……
それが……かなり……かなしい……

直球ど真ん中の作品なので、そういうのが好きな方には是非オススメしたい!
上映は各地で順次行われているので、お近くに上映が来た際には是非!!
| - | - | 16:42 | category: レビュー的なもの |
# 「7と嘘つきオンライン」-漫画レビュー的なあれ
次もスポーツ漫画を――なんて言いながら、ちょっと予定変更(笑)
時々のぞきにいっているWEB漫画のサイトで、すごくおもしろいTwitterをテーマにした漫画があったので、ついついご紹介。

「読解アヘン」http://opiumhero.web.fc2.com/というサイトさんで公開されていた「7と嘘つきオンライン」という漫画が、むっちゃおもしろかったのです。

たぶん、知っている人は知っているサイトさんだと思うんですが、「堀さんと宮村くん」というWEB漫画を長期(ええ、そらーもう長期ですとも!)に渡り連載していて、そっちの漫画もすごく好きなんですが、「7と嘘つきオンライン」は、「Twitterやってたらこんなこと起こりえるだろうな」みたいな感じの、オンライン上で起こりそうな、「騙り」だとか「嘘」だとか、そういうのを描いた漫画でした。

ウェブ漫画なので、読みに行くこと自体は簡単なので、特に詳しい内容の説明はしませんが、高校生の、ちょっとした日常がテーマになっているお話です。

「堀さんと宮村くん」も、高校生のわいわいした日常を描きながら「でも高校生って何も考えてないわけじゃないよね」「高校生の時って案外くだらないことが深刻な悩みだったりするよね」「この時期にしか感じ取れない何かってあるよね」と――いろんなことをふっと想起させられるような、高校生だったあの頃のことをふっと思い出してしまうような、懐かしい気持ちになるお話が多いのです。
特に大きな事件が起こるわけでもなく、のんびりとした日常が続いていくだけなので、好き好きあるかとは思うんですが、高校生っていう一種独特な時間が好きな自分には、もうツボをついてたまりませんでした。
キャラクターがそれぞれ個性的で、かわいいというのもある。

「7と嘘つきオンライン」は、「堀さんと宮村くん」のシリーズとは違う、前後編の読み切りです。
Twitterって、そうそう、こういう一面あるよね! みたいな。
そういうのが垣間見えて、楽しかったです。
ひとつ問題があるとすれば、Twitterを知らないと用語がちょっとわかりにくいかもしれないってこと。
でも、もしもTwitterを知らなくても、きっと楽しめるんじゃないかなー、と思うので、まあまずはひとつ読んでみてください! と思ったのでした。
そんなに長い作品ではないし、WEB漫画のよいところは無料で公開されているということ。
お試し的な感じで読んでもらえたらいいなー、と思いました。

こういう、なんでもない高校生の日常とか、書いてみたいなー、とか思うんですけどね。
「P・K」の登場人物にも、色々日常風景とか、作品の中には全く出てきてない設定とか、いろいろあるんだけども。
そういうの、スピンオフ的な感じで書いてみたいなー、とも思うけども、ホントになんでもない日常なので「作品」としては成り立たなそう(笑)
奈美と由佳と香織、その後仲間になる子たちとかも、頭の中にはあるのだけど(笑)
龍が秀人に振り回されてたまに「疲れたお父さん」みたいになってる図とか。
近くにあるファストフードの店に集まって試験勉強してる図とか。
そういうの、考えるのがすごく楽しくて、好きです。
彼女らも生きてるので、一回書いておしまいってのはちょっと寂しいなあ……なんて、おもいつつも。
実はひとつだけ、スピンオフ的な作品を書いたりもしたんですが。
もう少しはっきりしたことが言えるようになったら、宣伝させていただきます!

て、余計なことも入りましたが。
「7と嘘つきオンライン」そして「堀さんと宮村くん」も。
どっちもおもしろいので、ぜひぜひ!
| - | - | 12:54 | category: レビュー的なもの |
# 「シュート!」-漫画レビュー的なもの
私が「P・K」を書こうと思ったのは「女子サッカー読んでみたいなあ」という言葉を聞いたことがきっかけだったんですが、その「P・K」を書くにあたって、結構参考にしたのが、この漫画です。
参考にしたって言っても、参考文献てほどがっつり引用したわけではなく、書いてる時のテンションの上げ方とか、コマ割の感じとか、そういうところで参考にした、て感じなんですが。

書き方は人それぞれだと思うんですが、私の場合、スポーツシーンを書く時に脳内に思い浮かべるのって、実は漫画のコマ割だったりします。
つても、私は当然漫画なんか書けないわけなんで、書いたこともないわけなんで、自然と、今までに読んだことがある漫画のコマ割を思い浮かべる感じになるんですが。
で、一番脳内に刻み込まれてたサッカー漫画が、この「シュート!」なわけです。

ストーリーは高校スポーツものの基本とも言える「みんなで優勝するぞ!」という目標に向かっていく、というもの。
つーか、これがなくして高校スポーツものと言えるかっ!
というくらい、私は高校スポーツものには「全国大会優勝」という目標を求めています。
熱い魂をそこにぶつけていく。みんなで一丸となって戦っていく。青春! これぞ青春! 青春の光!
で、「シュート!」もそこに向かっていく物語……なんですが。

今回、物語の核心に触れるような部分も書いてしまうんで、ネタバレはいやん、という人はここまでで引き返してとりあえず「シュート!」を読んでください。
まあ、読んでみれば私の語るつたない感想などいらないのである!(笑)




別に今更語るまでもなく有名なストーリーだとは思いますが、「シュート!」の中には「久保嘉晴」という天才プレイヤーが登場します。
しかし、彼は病に体をむしばまれていて、余命幾ばくもない。
それにも関わらず誰にもその事実を告げずにサッカーを続け、そして、後に伝説となる11人抜きという偉業をやってのけ、命を落とす。

この作品は、久保嘉晴という人物が命を落としたところから動き出す物語だと思っています。
というのも、掛川高校サッカー部というチームは、久保嘉晴が創り上げたチーム。
チームメイトは久保嘉晴に惹かれ、集まった面々ばかり。
その部員たちが、久保嘉晴を喪う。まだ、全国制覇も成し遂げていないのに。

それぞれの胸に、それぞれの想いがある。
久保嘉晴が亡くなる前までは非常に明るい、普通に全国制覇という目標を達成していくぞ! みたいな、そういう勢い溢れる感じの正統派青春スポーツ漫画かのように見えていたのに、この久保嘉晴の死をもって、ただそれだけでは済まない感じになってしまったと、私は感じました。

「なぜサッカーをするのか」
「何のためにサッカーをするのか」
「サッカーは、好きか」

そういう問いかけが、常につきまとう。
一気にぐぐっと、重い感じになっていく。

特に、久保嘉晴の親友で、後に掛川高校のキャプテンとして「闘将」と呼ばれるようになる神谷篤司。
天才、と呼ばれていて人当たりもよかった久保に対して、結構問題児だったりした彼が、悩みながらチームを支えるキャプテンとして成長していく様が、私は一番好きです。

なんというか。
青春担当が、主人公の田仲俊彦。
苦悩担当が、神谷篤司。
そんなイメージが、私の中に(笑)
神谷はなんか、ずーっと、ずーっと、悩んでる印象が……いや、もちろんそれだけじゃなかったんだけども!
1試合ごとに「俺はこれでいいのかな、久保」みたいな。常に悩み葛藤して自問自答してるような。
そんなイメージが、ものすごくこびりついてます。
おそらく、ちゃんと読み返したらそれだけじゃないんだろうけども、その印象があまりにも強すぎる、という(笑)

けど、その苦悩や葛藤が、ものすごく切実に描かれてて、しかも、だれにも頼らないで独りでなんとかしようとしたりする思い込みの強さとかが、なんとなくほっておけない気持ちにさせられる、というか。
こういう男の子が実在したら、惚れるだろうなあ、なんて、思ったのでした(笑)

コマ割的にも、結構ぱっと思い出せるというくらい、何度も読んだ作品です。
直近で読み返したのは年単位で前になるから、また読もうかなあ……
何度読んでもわくわくどきどきするんですが、いかんせん長い!(笑)
長いくせに、一度読み出したら止まらない! 夜が明けるわっ!(笑)

そんなわけで、タイミングを見計らいつつ、また読み返したいと思います。

てわけで、高校スポーツもの漫画紹介継続中。
また次も、蔵書の中のとっておきの高校スポーツもの漫画を引っ張り出してこようと思います。
| - | - | 12:00 | category: レビュー的なもの |
# 「黒子のバスケ」-漫画レビュー的なやつ
今日も漫画のお話。
青葉の大好きな「週刊少年ジャンプ」より、昨日ちょうど高校生の部活動の話をしたので、まさに高校生の部活動ものの「黒子のバスケ」を。

ジャンプと言えば、そしてバスケ漫画といえば「スラムダンク」だと思いますが、「黒子のバスケ」はそれとはまた違った感じのバスケ漫画……というか、最近のジャンプで比較的よく見かける「ジャンプ主人公っぽくない主人公」の漫画としてもユニークでおもしろいと思います。
少年漫画の主人公としてそれはどうなのよっ! っていう感じの主人公といえば「デスノート」の夜神月とか、「銀魂」の坂田銀時、そして未だに現役ということで言えば「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両津勘吉なんかもそうじゃないかと思うんですが。
でも、ジャンプの主人公っぽくないとは言っても、彼らにはものっすごい存在感がある。

「黒子のバスケ」の主人公は、存在感がありません。
きっぱりと、ありません。
なんか気がついたら背後にいます。そこにいます。突然話しかけてきます。そしてビビられます。
そういう主人公です(笑)

でも、そんな主人公黒子テツヤ(名前まで「黒子」なんである)は、中学時代にバスケの非常に強い中学校に所属していた。
そのチームには最強と呼ばれる5人の選手がいたが、実は誰も知らない幻のシックスマンがいた。
そのシックスマンこそが黒子テツヤ――存在感がないために、取材とかが来ても気づかずに帰られてしまうという過去を持つ哀しい男(笑)
彼は「見えない」「気づかれない」ということを利用した「ミスディレクション」でボールを味方にパスする、いわばパスの天才。
が、中学時代のチームの戦い方――「勝つ」ことだけを追い求めるやり方に違和感を覚え、高校では違うバスケを見つけたいと感じている。
まさに、高校3年間を青春の名の下に過ごしていこうとする物語なのです。最近のお気に入り。

「勝つ」というのは、試合である以上とても大切なことなのだけれど、ただ「勝つ」だけでいいのか?
もっと何か、心の中にずしりとくるものがあるんじゃないのか?
そういう疑問の元、まだ創部二年目というチームに所属してバスケを続ける黒子の頭の中には「バスケが好き」という一言だけがある。
割と超人的な技なんかも出てくるのはジャンプスポーツの定番かなとは思うんですが、とはいえ、そこまで無茶がすぎる感じでもない。
それよりも、試合のシーンをそれで盛り上げつつ、日常生活の部分が結構クローズアップされているので、ただ試合をこなすだけでなく、高校生がどんなことを考えながらバスケというスポーツに向き合っているのかが丁寧に描かれている気がします。

さらに、「勝つ」だけの戦い方に納得が出来なくて中学時代の仲間とは別の道を選んだ黒子に刺激されて、その「勝つ」ためだけに試合をしていた仲間たちにも、少しずつ変化が出ている。
と、同時に、入学した高校の中でも、様々な仲間、様々な先輩たちとふれあい、黒子自身が「自分のやりたいバスケ」を見つけていく。
おお、青春だ! と。こういうところを見ると、すごくわくわくするのです。

そう、部活動って、こういうところがいいよねー! と。
あえて部活動ものを書く時の楽しさって、部活のシーンだけでなく、それ以外のシーンの、まだ先をどうするか見えていない高校生の葛藤みたいな部分にあるのかなあ、と思ったりしつつ。
試合の中でも、色々なことを考えて、自分はどうしたらいいんだろう、と、その立ち位置がまだわからなくて、それを模索していて。
どこに行っても「自分」と「他人」との距離というか、付き合い方というか、そういうのを考えながら、ひとつの絆が出来ていく。
そういう感じがすごく好きなのです。

現在は6巻まで発売中かな、確か。ツッコミどころの多いキャラも見所のひとつです(笑)
個人的に好きなのは、黒子の中学時代のチームメイトで、常に片手にわけのわからないアイテム(「おは朝占い」というので出てきた「今日のラッキーアイテム」らしい)を手に持って常にクールだけど言動がややおかしい緑間。
彼の口癖が「〜のだよ」というのなんですが、これが結構クセになって移ってしまうのだよ(笑)
ちなみにシュートレンジがオールコートのシューターだそうです。三井(@スラムダンク)もびっくりなのだよ。


今度もまた、高校生の部活動ものの漫画を引っ張り出してきてレビュー的なものをしようかな!
そんなわけで、青葉さんの漫画オタク万歳でした。今名前つけた。
……まあ、言うほど漫画詳しいわけでもないかもしらんのですが。定番のを結構読んでなかったりするし。
| - | - | 19:51 | category: レビュー的なもの |
# 朝がまたくるから - 漫画レビュー的なやつ
なんかこう、銀魂で熱くなりすぎて、オタク丸出しになってしまって、今更まあ、隠す必要もなくなっただろうと(まあ、あんま隠れてなかっただろうけど)思うようになったので、好きな漫画とか、語ってみます。
レビュー的なあれで。レビューっていうより、ホント「すきだー!」ってのを、心の底から叫ぶだけなんですけども。

で、すきだー!と、大声で叫びたい漫画のひとつが、羅川真里茂さんの作品なのです。

羅川さんの作品は「赤ちゃんと僕」を完結後に全部読んでドはまりし、号泣し、ちょうどその頃「しゃにむにGO」の1巻が出たばかりで、好きだったテニス漫画かつ千葉県が舞台(しかもうちの高校の近くだったよ)だったということもあって読み、予想通りドはまりし、他の作品も全部読んで、全部が全部魂持ってかれるくらい感じ入り、という感じで、異様なまでのハマり具合を見せてるんですが、最近出た短編集「朝がまたくるから」も、心揺さぶられるストーリーでした。

短編3本が収録されたこの作品集は「罪」がテーマ、とのことなんですが、個人的には「赦し」がテーマなんじゃないかなあと、ぼんやりと思いました。

「葦の穂綿」「半夏生」「冬霞」という、3つの作品は様々な形での「罪」を描いた、非常に重い内容。
ほのぼのとした、なんでもない穏やかな日々を描いているのかと思ったら、その中には決して人には知られてはならない暗い部分がある。その「暗い部分」というのは、おそらく、誰の隣にも潜んでいる可能性があるのかもしれない、と思わされるようなさりげなさで、そっと、そこに座っている。
程度の大小はあれど、それは「罪」であり、そして、そのために傷つく人がいる。それも、一生、取り返しのつかない傷を負ってしまう。負ってしまった。そういう人たちが、描かれていました。

本人も、そして、周囲の人も。
誰もが、傷ついている。「罪」に、巻き込まれている。

けれど、その「罪」を犯してしまった本人は、一生苦しみ続けなければならないのか?
もう二度と、その苦しみから逃れることは出来ない。それは、犯した「罪」に科せられた「罰」
けれど、ほんのわずかも、苦しみから解放される瞬間を得てはいけないのか?

この作品集の中で、感じたのは、「罪」を「罪」として描きながらも――そしてその暗闇をまっすぐに見つめながらも―― 一筋の光がそっと、差し込んでくる。
暖かい、「赦し」が、そこにある。
なんとなく、そういうきもちに、なったのでした。

どんな話なのかは、気になったら読んでいただきたいなあ、と思うんですが、ほんとうに、心にずっしり来る中で、ふわりと、干したばかりの毛布にくるまれたような優しさに包まれる気持ちになれて、何度読んでも涙が出てくるのです。
なんというか、渇いた大地に雨が降る、みたいな。
そんな気持ちになる作品です。


うむ、どこまでがネタバレになるのかわからなかったのであえて全く触れずに書いたら、実に抽象的になってしまったのでした(笑)
すごく、暖かい作品なので、興味を持っていただけたら、是非!
| - | - | 00:36 | category: レビュー的なもの |
# 「劇場版銀魂 新訳紅桜篇」見に行ってきました。
さて、記事三つ連続で「銀魂」の話とかいう、どこまでお前は「銀魂」が好きなんだ、という感じですが、その気持ちを表現するなら

「ああ好きさ、大好きさ!!」(@「ハチミツとクローバー」花本先生の台詞より引用)

ちなみに「銀魂」のキャストトークとか聞いてると、比較的頻繁に「ハチミツとクローバー」の話題が出てきます。「銀魂」のキャストトークのはずなのに別の漫画(主に「ハチミツとクローバー」「BLEACH」「ガンダム」など)の話ばっかりしてるというのが「銀魂」のひとつの味だと思ってます。
そんなことはともかく。

本日も「銀魂」オタク全開でいこうと思います。「銀魂」好きすぎるけど、今日で最後にするからご勘弁を!

さて、「銀魂」です。
映画化するという情報が一番最初に飛び込んできた時に、私が一番最初に思ったのは

「またいつものウソか〜」

ということでした。「銀魂」の「終わる終わる詐欺」(アニメはもう終わる、と言い続けること)と「やるやる詐欺」(映画やるよ!というウソ予告は少なくとも2回、かなり力を入れたものを見ました)は、ひとつの名物になっていました。
だもんだから、映画化、と聞いても信じていなかった!(笑)
友人に「銀魂」が好きな子がいますが、その誰もが信じていませんでした。
「え、またアレでしょ、いつものやつ。でも今回は珍しく大々的だねー」的な。
とにかくオオカミ少年みたいな漫画、そして、アニメなので、簡単に信用することができなかったのであります。
たぶん、「銀魂」が好きな人なら「ああ、そうだよね」と言って笑ってもらえると思うんですが、「銀魂」をあんまり知らない人には「え、この人何言ってるの?」という感じじゃないかと思います。
でも、そういう作品なんです、「銀魂」って。

全力で悪ふざけをする。
毎日がエイプリルフール。
才能を斜め上に全力で無駄使い。
ところが実はむちゃくちゃ真面目。

そういう作品だと思います、「銀魂」って。

そもそも、原作者の空知英秋さんが、非常に絶妙なんです。
世の中を斜めに見てるようなそぶりを見せながら、でも本当はすごくまっすぐに、一本芯の通ったものを持っている。
単行本の作者コメントとか、今回の映画化に寄せて随所に送ったコメントとか、そういうのを見てると、そんな印象を受けます。
比較的年代が近いので、ギャグとかのネタが通じるのも、嬉しいところ。
……いや、ちょっとネタは古いのかな。私は知ってるのばかりですが。たまに知らないのも入ってるけども。

そして、「銀魂」という作品は、意外と複雑な構成をしている。
基本は、一話ないし数話で完結する読み切り形式。比較的日常っぽいギャグ、または、ちょっとほろりとくる人情もの。
その中に、時々シリアスな長編が入る。キャラクター一人ひとりの内面をえぐるような、深くて重い話。
そして非日常のシリアス長編がおわると、また日常のギャグや人情話に戻る。
その繰り返しで、構成されています。

この、シリアスとギャグと人情ものがランダムに挿入される「むちゃくちゃ」感が、「銀魂」の魅力であり、絶妙なバランスで物語を身近なものに感じさせてくれるのかなと思います。
「銀魂」の基本は、たぶん、ギャグや人情ものの「日常」部分なんじゃないかと思います。
だから、いつ、どんな物語が来るかわからない。
今週はあんまり自分の趣味に合わなかったって場合でも、来週は煮えたぎるくらい興奮するかもしれない。
いろんなお話があるから、アレが好き、コレは苦手、っていうのが、出てくる人も多いんじゃないかな、と。
でも、それを毎週、いろんな気持ちで楽しめるのが、「銀魂」のすごく好きなところ。

シリアスに展開していく時も、出だしはいつものギャグや人情ものと一緒なんです。
今度はどんなお話かな〜、とわくわくしていると、予想外のアクロバットで、急転直下のシリアスパート。
ええええ、そんな風に行くのっ!?
と、驚愕することしきり。

ところが、最近気づいたことに、このシリアスパートだけをじっくり見ていくと、「銀魂」という作品の「軸」みたいなものが見えてくる、というのがありました。
あ、これって、こことつながってたんだ! と。
それはギャグパートや人情ものの時にも、さりげなくちりばめられていたりして、いろんなとこをに散っている断片を拾ってくると、予想外に哀しい物語が見えてくる。

「銀魂」は、幕末をモデルにしたSF人情コメディー、とかって言われてる気がします(気がします、というのは、どういうカテゴライズがちょうどいいのかいつもよくわからなくて:笑)
黒船来港を「宇宙人がやってくる」というSFに置き換えてるらしいです。
侍たちはそれに抵抗し徹底抗戦するものの、最終的にその戦いに敗れ、地球は天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人に乗っ取られ、政府の中枢にまで食い込んできて日本を支配される。
幕末の動乱もモデルになってますが、なんとなく、第二次世界大戦後の日本も含まれてるような気がしています。
高度な技術の、急激な発達により、変革が訪れる――割に、一般市民はのんきに生活をおくっているんですよね、「銀魂」の中で。
変わってしまったものを受け入れるだけでなく、自らの生活の中にうまく溶け込ませ、さらに新しいものまで作り出してしまう。
そういう日本人魂が、見られる気がします。

その一方、政府の中枢では、その天人により様々な策略が行われている。
はっきりと「悪者」として描かれる人物は、「銀魂」にはあまりいないのですが、水面下で「春雨」と呼ばれる宇宙海賊や、政府中枢の天人が謀略をめぐらせている描写もあったりします。
「攘夷戦争」と呼ばれる、侍による天人への徹底抗戦の末期に、活躍した「攘夷志士」の中には、その天人らに未だにあらがおうとしている人もいる。
そういった前提があった上で成り立っている物語なので、悲哀に満ちているんだろうなあと、感じます。

主人公の坂田銀時は、その「攘夷戦争」の生き残り。
「白夜叉」として鬼神のごとき活躍をしながらも護りきることができず、終戦とともに姿を消したという男。
その彼がどう生きているかと言えば、変革してしまった世の中を受け入れ、怒りや悲しみに心揺らされながらも、今目の前にあるものを護る人生を選んだ。ちなみに甘党でマニアックなオッサン(まだ二十代だけど)。
「攘夷戦争」時代にともに戦い、また、幼少期に同じ師の元で学んだ桂小太郎は、変革してしまった世の中を憂い、なんとか正しい道を探りたいと模索し続ける。ちなみに妄想癖がある電波男。
銀時、桂と同じ師の元で学び、戦争でもともに戦った高杉晋助は、今の世界に納得ができずに世界のすべてを破壊しようとしている。ちなみに引き笑いが特徴。

同じ師の元で学び、そして、その師を奪われた(ここに関しては詳細な描写はまだない)ことでともに戦争に参加しながらも、全く異なる道を歩むようになった三人。
この三人の関係性にスポットが当てられたのがシリアス長編の「紅桜篇」であり、映画の「新訳紅桜篇」です。

よかった、ちゃんと映画の話につながった(笑)

そんなわけで、映画の「紅桜篇」の細かい話の内容に関しては、単行本の11巻・12巻を読むとわかります。
身も蓋もない(笑)
DVDでも大丈夫です。DVDの「紅桜篇」を見てもわかります。
身も蓋もない(笑)
が、個人的にはこの二つの「紅桜篇」と映画の「新訳紅桜篇」。
全部を見比べてみるのも楽しみ方のひとつかなと思います。

原作によるベース。
その原作を受けて作られたテレビ版の「紅桜篇」
それから20冊以上の単行本が発行された後、原作ではっきりとした銀時の過去を挿入し、より深みを増した「新訳紅桜篇」
それぞれ、別の味わいを持っていると思います。

劇場版は劇場版として、十分な迫力があった!
ストーリーを知っていてもなお、あの戦闘シーンを見るためだけに劇場に行ってもいい、と思うくらい。
「新作カットのひとつやふたつ入れておけばあいつら納得するアル」という映画の宣伝(ええ、宣伝だったと思います、アレ)に反して、ホントにひとつやふたつなんですか?というような出来映えで、圧倒されまくりました。

そして、「銀魂」らしさも随所にちりばめられている。
「え、劇場版でコレやるの!? いいのコレっ!?」って思うようなものが、しれっと入ってました。
劇場内で爆笑するとか……普通ないよねこれ(笑)
自分たちでやったものに、自分たちで突っ込みいれちゃうみたいな。
そういうところが、ほんとうに、すごいと思いました。

違う作品の宣伝になってたりとかね。
協力してくれた明治乳業さんの「いちごオレ」も、商品名読み上げてまで登場してたよ!
配給会社をあんなにプッシュする映画もないとおもうよ。
本当に、やりたい放題でした。

あと、劇場版と原作の違いだと「月刊少年ジャンプ」が「ジャンプスクエア」になってたり(これは予想通りだった!)

そういう、全力で悪ふざけをしている感じとか、そのくせ、シリアスなところはどこまでももの悲しく、でも希望の光が輝く感じとか、楽しめる映画だと思います。

ほんとうに、楽しかったです。
一度は劇場で見てもいいと思うよっ!

と、オタク丸出しになりましたが。

えっと、ちなみに、このレビューはあくまでも私の主観に基づいています。
実際はそういう意図じゃないかもしれない。
あくまでも私の感じた「銀魂」ということで、ひとつよろしくお願いします。

いや、読む人によってすごく解釈の分かれる漫画だと思います「銀魂」。
あと、結構下品です(笑)カッコイイばかりじゃないです。
その辺まで含めた上で、お子様に見せる場合はお子様から「これどういういみー?」と聞かれても適当にごまかすことをおすすめします(笑)
そういうところまで含めて私は大好きなんですが。
あの下品さが、くせになるんですよね。

そんなわけで、長々と語った銀魂について。
ここまでにします。もうやめます。一晩中でも語れるけどさ、「銀魂」についてなら!

最後までお読みくださった方、本当にありがとうございました。
| - | - | 16:04 | category: レビュー的なもの |
# アフタヌーン四季賞かわぐちかいじ特別賞受賞「世界のどこかで100m走」
最初の興奮から時間が過ぎてしまったのだけれど!

「P・K」で表紙のイラストを書いてくださったタヤマ碧さんが、「アフタヌーン」の四季賞でかわぐちかいじ特別賞を受賞して、4月号の別冊付録になっている四季賞の特集冊子に掲載されています!
いよいよ漫画家としてのスタートを切った、とのことで……
おめでとうございます!
先日、ご連絡いただいて、もう大興奮でアフタヌーンを買いに行きました。
もうホント、なんか、自分の時よりも興奮してたし嬉しかったです(笑)

自分の時って、なんというか「やったぞ!」という感よりも「これからが勝負だ!」という気持ちの方が強くて、まわりの、家族とか友人とかの方が喜んでいる感じだったんですが……その気持ちがよくわかりました(笑)
これは非常に嬉しい! すごく嬉しい!

そんなわけで早速購入してきたので、紹介もかねて感想。

タヤマさんにイラストを書いていただくことになったのは、担当さんに「この人が小説のイメージに合ってると思うんだ」と、サンプル的な感じで漫画を数ページ見せていただいたところからでした。
で、その数ページの漫画(全部は読んでないのです)を見て、その時点で「あ、この人好きだ」と思った漫画でした。
たぶん、経験ある方もいらっしゃると思うんですが、好きになる漫画家さんて、ぱっと見た瞬間に「あ、なんか好き」って思うんですよね。
タヤマさんは、まさにそんな感じでした。
「是非お願いします」と担当さんに言って、書いていただいたのが「P・K」の表紙だったのですが、そのサンプルを見た瞬間に「うわーうわーうわ−!」しか言えなかったという(笑)
それくらい、好みでした。

「P・K」の表紙見ていただいてもわかると思うんですが、すごく女の子が、柔らかそうなんですよね。あと、二の腕の、肘から手首にかけてのラインと、足の膝から足首にかけてのラインが好き。
……って変態的な発言ですが(笑)
とにかく、女の子がものすごく魅力的な方だと思ってたんです。

今回賞を取った「世界のどこかで100m走」も、まさにそんな、魅力的な女の子に一気に惹きつけられました。すごいんです。2ページ目でもう、目が釘付けだった。

「100m走」というとおり、運動をする女の子の出てくるお話です。
是非読んでいただきたいので詳細は語りませんが(笑)「スポーツをする女の子」の魅力が、本当にすごい。
そして、対で出てくる男の子の宮原くんとの対比が、またすごくいい。
エロティシズムにはあえて走らずに、男女の関係を描いていると思いました。
中学生の男の子と女の子だからこそ、こういう関係性がすごく惹かれるんだろうな、と。
これが高校生だったら、きっとまた違うお話になっていたんだと思います。
中学生という時期でなければ起こりえない、本当に繊細な感情の揺れと、案外あっさり立ち直ってしまうところと……そういうのが、本当に、気持ちのいい作品でした。
そしてまた、「本能」についても考えさせられるような……

このお話のメインになっている演出――
賛否両論あるようなんですが(笑)個人的にはこのお話が「中学生」のお話であったからこそ、この演出が活きてきたんじゃないかなと思ってます。
漫画の後の選評では、別のことを言われていましたが。「あそこではアレを見せないと!」みたいに。
主人公たちが高校生だったら、私も選評の人たちと同じ意見だったかもしれない(笑)
でもたぶん、高校生だったらきっと、違うラストになっていたんだろうなと思うので、やっぱりこの物語にはこの演出でいいんじゃないかなあ、という意見でした。
と、漫画を読まなければ何を言っているかさっぱりわからない風に、あえて書いていますが(笑)

すごく、よかったんです。
大好きなお話です。
タヤマさんも、今は二作目に向けて準備中とのこと。
私も、今度はしっかりと取材もして(って、前に書いたのは取材しなかったかと言えば全くそんなこともなく、取材や聞き取りは個人的にいっぱいしてたんですが、もう少し別の形で取材をして)とにかく吸収できるだけ吸収して、一気に爆発させたいと思ってます。

そんなわけで、タヤマさん、おめでとうございます!
「アフタヌーン」本誌の付録ではありますが、皆さんも、是非読んでください!
| - | - | 13:39 | category: レビュー的なもの |
# 「オハナホロホロ」
鳥野しのさんの「オハナホロホロ」は実はデビューした時から知っていたんですが、読んだ事がないという作品でした。
理由は実に単純で、普段買っている雑誌ではなかったから。非常に単純だ。
でも、ふとこの間本屋に行ったら単行本が出ているのを発見して、お、買うぞ、とあっさりお買い上げ。
よんでみて実感。「買ってよかった」と。

仕事もできる、いわゆる「しっかりした人」の摩耶、一児の母となってもまるで子供なみちる、みちるの子供で極度の人見知りなゆうた、この三人の同居生活に、階下に住むニコという男性が加わった、疑似家族的な輪の物語。
いい大人が三人そろって寂しがりでぬくもりを求めていて、孤独を極端に恐れている。
恋愛と友愛と家族愛の境界が曖昧になってしまって、お互いにうまく線引きできていない。
そんな人たちの群像劇という印象でした。

寂しい、っていう気持ちは誰もが抱くと思うんですよね。
じゃあそれをどう癒すかといったら、一番いいのは人とふれあうことだと思うのです。
でも、人とふれあうってそう簡単な事ではないから、距離感を計りかねて、一緒にいると余計に孤独になってしまうというケースもままあると思うんです。
お互いにすごく好きで、でもちゃんと線引きできていないからちょっとしたことですれ違って淋しくなって孤独を感じて、苦しくてのたうち回って、でも帰る場所があることに安心して……
そういう、人の気持ちのすごく繊細で微妙な部分を描いた物語だなと思いました。

私、子供が好きで、子供が出てくるお話ってすごく好きなんですが、なんで好きなのかなあと思ったら、子供ってすごく純粋に愛を向けてくれるんですよね。
そんなに難しいことを考えたりしないで、好きか嫌いか、その表現がものすごく単純なんです。
そして、こちらが淋しいと思っていたら、意外と伝わってしまう。感じ取った淋しさを、いろんな形で表に出してくれる。
それが気遣いになったり、逆にかんしゃくになったり、それはその子によって違うから、場合によっては余計にイライラさせられることになる可能性もあるけれど。
でも、子供から受け取るものってすごく大きいと思うんです。

このお話は、子供がすごく大きな存在として、登場してくる。
いろんなところで不器用でふらふらしている大人たちが、子供の存在によって地に足つけていられる、というか。
そんな雰囲気を感じました。

私の好きな羽海野チカさんのとこのチーフアシでもある人で、実はそちら経由でこの人のことは知ったのだけれど、好きな作家さんのひとりになりました。
| - | - | 08:36 | category: レビュー的なもの |
# 「リテイク・シックスティーン」
評価:
豊島 ミホ
幻冬舎
¥ 1,680
(2009-11)

個人的に大好きな作家さん、豊島ミホさんの最新作ということで、うきうきしながら購入。
現在は読了していますが、やっぱりこの人好きだなあ、と思うのです。

豊島ミホさんの作品は、小学生から高校生くらいまでの女の子が主人公となることが多いです。秋田県出身だということもあり、東北地方の風景描写も非常に多く、なんとなく懐かしい気分になることも。って、私自身はほとんど関東住まいなのですが。
この「リテイク・シックスティーン」もやはり高校1年生の女の子が主人公なのですが、設定が今までと少し変わっている感じでした。

というのも、主人公の沙織の親友・孝子が、とんでもない告白をするところから始まる。

「私、未来からきたの」

27歳だったのだけれど、人生をやり直したくて、高校入学からやり直すために過去へやってきたのだ、と。
そこでタイトルの「リテイク・シックスティーン」の意味がわかるのですが、設定がちょっと変わっているというこの部分を除くと、あとは本当にごく普通の高校生活なのです。
美人で頭のいい沙織が抱えている、でも人にはあまり軽々しく言えるわけではない悩み。
人をうらやんでばかりの孝子。彼女の場合、27歳の時に何かを捨ててしまっているということがわかるのですが、そこははっきりとは描かれず、ぼんやりと示唆される程度――でもだからこそ感じる、自分、というものへ対する嫌悪感。
この二人の女の子と仲良しで、いつも一緒に行動している男の子二人も出てきます。
大海くん、というお調子者で、しかし過去に苦労も経験しているという男の子。
そして、すでに決められたレールがあり、そのために勉強を続けている村山くん。
それぞれのキャラクターに個性と抱えている問題があり、でもそれはおそらく人から見れば「些細なこと」であり、普通に生活できているんだからいいじゃない、と思われてしまうようなことでもあり――でも本人にしてみれば自分の人生すら左右するような一大事。

要するに、本当にどこにでもいるような、ごく普通の高校生を描いたお話なんです。物語なので少しヘビーな設定にはなっていますが、でもやっぱりごく普通の高校生なんです。
しかし、豊島ミホさんのすごさって、この「ごく普通の高校生」をイキイキと描くところだと思うんです。
あらすじだけ言ったら、きっと「ふーん」と思われてしまうような気がします。でも、実際に読んでみると、「あ、この閉塞感、知ってる」と感じると思う。そういう作家さんなんです。

たぶん、どんな高校生活を送ってきたかによっても評価って変わってくると思うんですが、私の場合、今回主人公の沙織が抱えていた感情に近いものを、過去に感じていたことがあったし、正直今も感じています。
それが、ものすごい閉塞感につながっていく。
そんな中で、私の場合、高校生活をあまり楽しまない、という感じで乗り切ってきました(笑)基本は生活よりも勉強。勉強をすることでいろいろ知ることも出来たし、意外とこれをきっかけにしていろんな交流もできたんですよね。勉強教えてくれと言ったり、言われたり。
同級生であったり、彼氏であったり、先輩であったり、後輩であったり。
あんまり先生には質問に行かなかったなあ、と思うんですが、物理とか地学とか、先生に質問に行けばよかったな、と最近は思ってます。なんか、それだけで自分の力にもなっただろうし、先生としても面倒くさいと思う反面、ちょっとは嬉しいと思ってもらえたんじゃないかな、とか。

なんにせよ、高校時代っていうのは、ものすごく特別な時だった気がします。私みたいに、高校生活を楽しまなかった人間だからこそ。
だから、別に特別なものが読みたいわけじゃないんです。宇宙人とか未来人とか超能力者とかが出てくるのもおもしろいけれど(「涼宮ハルヒの憂鬱」ってライトノベルの話で、私はアニメしか見てないんですが、エンタメとして普通におもしろかった。ああいうのも学園もののひとつの醍醐味だと思う)でも、なんでもない話が読んでみたい。
そんな時に豊島ミホさんのお話って、すごく中毒性があるんです。

小学生の頃の、あの特殊な感じ。仲良しの子としか遊ばなかったり、いつも仲良しじゃない子といるとちょっとよそのおうちに来たような感じになったり、学年があがるごとに仲良しの子が変わったり、どうしようもないことで感じる罪悪感だったり、喜びだったり、憤りだったり。
高校生の時の閉塞感と、開放感。なんだか自分は完璧だと思ってみたり、自分は悲劇のどん底にあると思ってみたり。
今になってみると「ああ、あの頃は馬鹿だったなあ」とか思うことを、真剣にやっていた頃。
それを、あのときの空気感そのままに描くことができるのって、すごいことだと思うのです。

豊島ミホさん、久しぶりの新刊でわくわく読んだのだけれど、やっぱりおもしろいです。
| - | - | 15:20 | category: レビュー的なもの |
つぶやき。
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