ばなな通信

小説家・青葉奈々のお仕事情報とのんべんだらりとした日々を掲載するブログです。
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# 「オハナホロホロ」
鳥野しのさんの「オハナホロホロ」は実はデビューした時から知っていたんですが、読んだ事がないという作品でした。
理由は実に単純で、普段買っている雑誌ではなかったから。非常に単純だ。
でも、ふとこの間本屋に行ったら単行本が出ているのを発見して、お、買うぞ、とあっさりお買い上げ。
よんでみて実感。「買ってよかった」と。

仕事もできる、いわゆる「しっかりした人」の摩耶、一児の母となってもまるで子供なみちる、みちるの子供で極度の人見知りなゆうた、この三人の同居生活に、階下に住むニコという男性が加わった、疑似家族的な輪の物語。
いい大人が三人そろって寂しがりでぬくもりを求めていて、孤独を極端に恐れている。
恋愛と友愛と家族愛の境界が曖昧になってしまって、お互いにうまく線引きできていない。
そんな人たちの群像劇という印象でした。

寂しい、っていう気持ちは誰もが抱くと思うんですよね。
じゃあそれをどう癒すかといったら、一番いいのは人とふれあうことだと思うのです。
でも、人とふれあうってそう簡単な事ではないから、距離感を計りかねて、一緒にいると余計に孤独になってしまうというケースもままあると思うんです。
お互いにすごく好きで、でもちゃんと線引きできていないからちょっとしたことですれ違って淋しくなって孤独を感じて、苦しくてのたうち回って、でも帰る場所があることに安心して……
そういう、人の気持ちのすごく繊細で微妙な部分を描いた物語だなと思いました。

私、子供が好きで、子供が出てくるお話ってすごく好きなんですが、なんで好きなのかなあと思ったら、子供ってすごく純粋に愛を向けてくれるんですよね。
そんなに難しいことを考えたりしないで、好きか嫌いか、その表現がものすごく単純なんです。
そして、こちらが淋しいと思っていたら、意外と伝わってしまう。感じ取った淋しさを、いろんな形で表に出してくれる。
それが気遣いになったり、逆にかんしゃくになったり、それはその子によって違うから、場合によっては余計にイライラさせられることになる可能性もあるけれど。
でも、子供から受け取るものってすごく大きいと思うんです。

このお話は、子供がすごく大きな存在として、登場してくる。
いろんなところで不器用でふらふらしている大人たちが、子供の存在によって地に足つけていられる、というか。
そんな雰囲気を感じました。

私の好きな羽海野チカさんのとこのチーフアシでもある人で、実はそちら経由でこの人のことは知ったのだけれど、好きな作家さんのひとりになりました。
| - | - | 08:36 | category: レビュー的なもの |
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